タカシの涙
ヨウコはつねづね言っていた
「わたしはタカシの涙はみることは一生ないわね。だってタカシが泣くのは私が死んだときだから。。。」
ふだんから喜怒哀楽をあらわにしない穏やかタカシである
クロが近所の獣医で重度の腎臓病を宣告されたその日
珍しくお天気がよくクロのために新築したテラスでクロとひなたぼっこする彼
おもわずカメラを向けカシャ!
「やめて」と突然の嗚咽!
そうまるで「想い出写真を撮るゾ」のタイミングだったため我慢していた気持ちがあふれ出た瞬間だった
そしてひとしきり二人で涙にくれる
ヨウコが初めて見る夫の涙であった