クロと再会
あの日から6カ月
2017年2月のこと
「クロどうしているかなぁ」
「・・・そうね」
「行ってみようか?ゴルフがてら」
即決で再度同じリゾートのおなじヴィラに予約
2月のポルトガルは極めて静か
荷物を置いてタカシが「ちょっと見てくるね」
とテラスからプールの方に
なんとクロを連れてタカシがテラスから
「向こうから歩いてくるクロに会ったんだよ
「『クロ!』って呼んだら走り寄ってきたんだ」
運命の再会!
そう運命だったんだと思う
「クロおいで!」って言ったらタカタカついてきたんだ
わたしたちは決断にせまられた
来る前の疑問
- クロは飼い主いる? ノラ猫?
- ドイツに連れて帰る?
飼い主と話したい一心でポルトガル語を学ぶヨウコ
しかし顔見知りのリセプションの女性ぺトラからノラと告げられ次の一歩
決断のためにクリアしなければならないこと
- われわれはペットを飼ったことがない。しかもヨウコはどちらかと言うと犬派
- なによりもクロにとって幸せ?
とりあえず・・・・クロの健康診断をしようということになり、獣医さんをネットで探し相談に
「とりあえず」連れていくことになったのが思いもかけずのバトルの始まり?!であった
スーパーでプラスチック製のケージを買い
「ハイ、クロちゃんはいりましょう!」と誘っても
ホイホイ入るはずも無く・・・・
逃げまわるクロに汗だくになり、ギブアップ!
かくなるうえは強力な助っ人に頼むしかない!
ドクター・ルイス! 獣医さん!
「すみません!クロがケージに入らないんです!」
「分かりました!こちらからケージを持っていきましょう!」
何と親切な!このドクター・ルイスの親切は限りなく深く、広く、彼の存在なしでは今クロはドイツの我が家にはいなかったかもしれない
さっそく連れにきてくれたドクターを感知してか、当のクロはノラの本領を発揮してわれらがヴィラから姿を消し、結局その日のドクターの親切は徒労に終わってしまった。
「クロがいることを確認して連絡くださいね」と怒るでもなく、はにかみながら帰るドクター
「す・み・ま・せ・ん!!」汗!
翌日なにげなく入ってきたクロを軟禁。さっそくドクター・ルイスに連絡をして来てもらった
ケージに入れられたクロ、そして自分たちで連れ帰った時のクロ
あの鳴き声、あの抵抗は今おもいだしても血圧が上がる!!
「ごめんなさーーーい!クロ!」
心がめげた!
私たちの勝手?
クロは厭だって?!
実際にドクター・ルイスの検診ではクロは観念したのか静かだった
ヨウコはクロを抱きかかえて・・・・
「どうしますか? ドイツに連れて帰りますか?」
「・・・・・」
「チップを埋め込んだらもう後にはひけませんよ」
「クロにとってはどちらが幸せなんでしょうか
ドイツはポルトガルのようにお天気が良くなく冬場は寒く暗い日が続きますし。。。
でもノラ生活から飼い主のいる猫になるわけで。。。。」
ドクター・ルイスは即答した
「それは飼い主のもとで暮らすのが猫にとっては幸せですよ!」
我々のめげそうな気持ちが吹っ切れた瞬間だった
「はい、先生チップお願いします!ドイツに連れて帰ります!!」
こうしてお医者さんから発行された健康診断書兼パスポートを取得してクロは晴れて 我が家のネコとなったのです
いよいよクロとドイツに発つ日、お医者さんから支給された麻酔をクロに飲ませ、ケージに入れるのに大奮闘
「ごめんね」を繰り返しながらクロはデュッセルドルフに向け、おそらく最初で最後のヒコウキの旅に
2017年2月22日のことでした。
そう、奇しくもこの日は『ネコの日?』でした